中外製薬

1 研究本部・トランスレーショナルリサーチ本部

研究におけるデジタル活用
Digital Technologies in Research

デジタル技術の活用で新しい価値創造と創薬プロセスの効率化を実現

中外製薬では『デジタルで変えるヘルスケアの未来』をスローガンにデジタル技術によりビジネスを革新する取り組みを進めており、研究本部でもデジタル技術を大いに活用して創薬研究プロセスを改革する取り組みを開始しています。

創薬標的分子の探索では、ヒトの病態メカニズムの理解と解明のために、アカデミアとの共同研究等を通じてヒト臨床検体の多層的なオミックス解析を行っています。具体的には、ゲノム多型や遺伝子発現解析に加えて、1細胞発現解析やプロテオミクスなどの複数のオミックスデータを統合的に解析することで、膨大なデータから病気の原因を司る分子を探索する活動を推進しています。

また、抗体や低中分子のヒット創製やリード最適化段階におけるAI技術の活用も開始しています。抗体創薬のヒット創製やリード最適化において、AIの一つである機械学習を活用して、抗体配列に適したアルゴリズムを開発して社内で得られた実験データを学習させたMALEXA(Machine Learning × Antibody)と名付けたシステムが実装されています。このMALEXAにより研究員が思いつかない新規抗体配列が提案され、新しい価値創造と創薬プロセスの効率化が達成されています。

開発した機械学習ワークフローとMALEXA-LO(抗体リード最適化)の成果

上記に加えて、画像解析やHTS、ラボオートメーションやロボット開発、臨床予測などの領域でも先進的なデジタル技術の導入と社内での技術開発を進めています。

デジタル技術を用いたビジョン実現にとって人財の獲得と育成も重要であり、このための取り組みを全社一丸となって進めています。デジタル活用による既存技術基盤の拡張と新規技術の構築を通じて、さらなるイノベーション機会の拡大と独自の創薬アイデアの実現を目指しています。

プレスリリース

(作成日:2021年8月)